今回は長男の紹介。発達障害?と向き合っています。
長男は前の記事でもお話したように、とても優しいく気が小さいです。そして集団生活は苦手。
長女とは3歳差。小さい頃はいつもお姉ちゃんについてまわる子でした。
保育園に通っている頃は、何事にも一生懸命ではありましたが、面白いキャラでもないのになぜだか先生たちの人気者。何がそんなに人を惹きつけているんだろと不思議で仕方なかったことを覚えています。年少さんの時はあそび発表会ではセンターを飾らせてもらい、本人もとーってもうれしそうでした。
ただ、その頃から1つだけ気になることがあったんです。長男は人と話すときに、相手と目を合わすことが出来ないんです。「目を見て話そ。」というと、一瞬は目を見ることが出来るのですが、また目を逸らすんです。叱られてる時だけではなく、普通に会話をしてても、なかなか目を見てくれないんです。「お話する時は、お友達や先生とか、話をしてる人の目を見るんだよ。」と伝えると、「見てるよ。」と言いますが、視線は別のところ。気になるものが周りにあるからかな、成長したらできるようになるのかななんて軽く考えてました。ですが、これは今考えると、発達障害の1つだったのかもしれないと思います。
そして、小学生になった時にいろんな変化が起こり始めました。まず、入学当初、1人では登校できず1か月ほど教室まで送る日々が続きました。担任の先生の話では、入学当初はそんな子は他にもいるという話でしたが、親としては不安しかありませんでした。学校に少しずつ慣れてくると、学校や学童からお友達を怪我させたことや、感情のコントロールが出来てないことなどの連絡を受けるようになりました。私も長男が自分のその日の出来事を話すことにとても時間がかかること、相手の気持ちを考えることが難しいことなどが気にはなっていましたが、まだ、小学1年生、男の子だし、そのうちできるようになるよね。そんな風にしか考えることが出来ませんでした。もちろん、その都度、お友達との関わり方やその時の気持ちについて話をするようにしてはいましたが、長男の理解が乏しかったことは言うまでもありません。
授業参観の時の長男は自分の席を立つようなことはありませんが、手遊びを常にしている感じで、それも気になる1つではありました。学年があがっても、学校や学童からの連絡は頻繁にはいり、お友達の親に謝罪の電話をしたことも数えきれないくらいあります。学童では、面談を繰り返しされるほどで、退所を考えないといけないのではと悩む時期もありました。しかし、自分の子供が発達障害とは考えもしなかった私は、専門の機関に相談するということは考えもせず職場や昔からの友人に時々相談する程度。「男の子はそんなものなんじゃない。」と言われれば、長男が特別なわけじゃないと思い、長男のことを直視できていませんでした。
しばらくし、学童に新しい先生が入職されていろんなことが動き出します。
我が子が発達障害?
「お母さん、長男君のことで話したいことがあるので時間つくれませんか。」学童へのお迎えの時に、新しく入ったM先生に声をかけられました。またか、、、。私はまた学童からの苦情めいた話を聞くのかと思いましたが、後日、話をすることにしました。
その話は、これまでのようにただ単に長男がお友達に迷惑をかけているという話ではありませんでした。「長男君は、想像することが苦手で抽象的は話をされても、理解できていないようです。また、表現力もあまりないので自分の思いを表現出来ずにいます。こういう特性があるので、大人や友達に自分の気持ちをわかってもらえないと感じていて、結果、自己肯定感をさげてしまっています。長男君としばらく接してきて私が感じた特性です。」「お母さんも多少なりとも感じていた部分もあると思います。長男君のことについては、周りがしっかりサポートしていくかどうかで今後の成長に関わってくると思ったので、お母さんともじっくり話がしたかったんです。」という話でした。
私は、長男に注意をするときに、反応がいまいちだなと思うことはよくあったし、話を途中でやめてしまうこともあったけれど、それが先生の話したような特性があるからとは、あまり考えていませんでした。
そして、何より愛情を向けてきたはずなのに、なぜこの子は自己肯定感が低いんだろうと思うことはよくあったので、先生の話で色んな部分が納得いきました。仕事が忙しく、長男との時間をゆっくりと持つこともできていなかったなと反省もしました。先生の話では、家庭・学校・学童全てが協力していくことが大切だということだったので、私から学校の先生へも相談をするような形で協力を依頼していくことになりました。
診断を受けることは難しい。
M先生との話の中で、成長に凸凹があり、発達のスピードがゆっくりな部分をどうサポートしていくかという話をしたわけですが、その中で、学校の先生に「私の子供はこういう性格なので、気にかけてください。」とお願いをしても、何十人もいる児童の1人1人に対して接し方を変えれる先生は少ないということ、実際に発達についての検査(WISC)を受けることができれば、点数で成長の凸凹を示せるので、対応を変えてもらえる可能性はあるという話も頂きました。
しかし、これは地域によるかもしれないですが、この発達に関する検査を受けるためにも数か月から1年という期間を要するということでした。実際、担任の先生に長男の発達で気になる部分について相談し、学校で検査を受けさせてほしいとお願いしましたが、担任の先生からは「学力も平均程度はあるし、私の接する感じではそういう検査を受ける必要はないと思いますよ。」「お母さんが心配なのであれば、引き継ぎ書という、長男君についての接し方についてまとめ次年度に引き継ぎます。」と言われ、引き継ぎ書は作成していただけましたが、WISC検査の手続きには至りませんでした。
これを受け、今度は自治体のこども発達サポートセンターへ相談しました。面談までに1か月待ちましたが、面談を受けることが出来ました。臨床心理士・保健師などとの面談を、親子別々に受けました。ここでは、「お母さんは色々と心配な部分がおありのようですが、長男君は自分の得意不得意もわかっているようだし、学校生活で嫌な部分も話すことができるし、特に検査は必要ないかと思いますよ。どうしても検査を受けたいというのであれば、小学校の発達支援の〇〇という先生がいるので、その先生と話をされてください。」と言われたんです。学校で検査を受けれなかったから、自治体に相談したということも話しましたが答えは変わりませんでした。
現在もまだ検査は受けれていません。他の方の話では、私たちのような経過のあと、県の療育相談窓口に何度も相談の連絡をし1年くらいしてやっと検査を受けれることになり、そこから半年後に実際検査を受け、その後専門医にて発達障害と診断されたということでした。
子供が周りのサポートを受けやすくなるのであれば、検査を受けさせたいと思っていますが、検査を受けれない現状ではサポートしてくださる学童の先生に相談をしながら、関わり方をかえていくしかないと思っています。
少し話は前後しますが、学校の先生に相談し引き継ぎ書は作っていただけました。そして、学年がかわったころから長男のストレスが増していっていることが感じ取れるくらいになっていました。家庭でも兄弟に暴言を吐くことが増え、学校へは行きたがらず学校まで送っても自宅へ引き返してしまい、学校から職場へ確認の電話がくることもありました。職場に事情を話し長男を探しに戻ったことも何回もあります。そのたびに学童の先生もサポートに駆けつけてくださり、ゆっくり時間のとれない私に変わり長男の話を聞いてくれました。そうやって、どうにかその日その日で長男への対応を模索していたある日、事件は起こりました。
ある日曜日、食材を買いに私一人で出かけていたのですが、長女から「長男が窓ガラスを割った。私に包丁を向けてきた。」と連絡が入ったのです。
私は慌てて家に帰りました。長男は目つきが変わっており、いらだった様子でした。話をしようとしますが、叫んだり物にあたったりで会話になりません。私は、長男を力ずくで押さえつけ声をかけました。「長男、あなたが今やっていることは犯罪と同じだよ。言葉で伝えずに叫んだり物に当たったりしてるけど、それでは相手には伝わらないし、恐怖心しか与えていないよ。お母さんが今あなたを押さえつけてるのも、あなたは痛いよね。叩かれても痛いでしょ。あなたが、長女に包丁を向けたと聞いたけど刺すつもりだったの?刺したら人殺しと同じだよ。わかる?あなたがそんなことするなら、お母さんはあなたを殺してお母さんも死ぬ。」そのようなことを話したと思います。長男は叫ぶことをやめましたが、すぐには目つきは変わりませんでした。お互いに冷静になる時間も必要だと思ったので、それ以上は話をすることをやめました。数時間後、長男は自ら謝罪してきました。長女へも謝るよう声をかけると泣きながら謝罪していました。
後にわかるのですが、この時の長男の謝罪は私に殺されてしまうという思いからでした。私は、長女の包丁を向けられた時の恐怖心を理解してほしくて、「あなたを殺してお母さんも死ぬ。」と伝えたのですがそれは伝わってはいませんでした。このことが、後日別の形でわかったため、私は再度長男とじっくり話をし私の思いをわかりやすく説明しました。今では、「僕はお母さんを本気で怒らせたことを反省したし、お母さんを悲しませたこともわかったよ。僕は死にたくないし、他の人も怖がるような事はしてはいけないってわかったから、あんなことはもうしない。」と時々口にします。
この長男の事件によって、私は仕事を休むことを決意しました。子供のためにちゃんと稼がなきゃと思い踏ん張ってきましたが、子供がこんなに不安定になっているのに、子供に目をむけなきゃと思ったのです。長男はあの時からすると表情もやわらかくなり、ゆっくり関われば思いを表出できることも増えてきています。学童の先生のサポートもあるので、学童では信頼している先生には思いを表出できています。長男の次の課題は自分が気持ち的に不安定だなと自分で感じたら、近くにいる大人にそれを伝えることができるようになることです。
特性を踏まえ、SPELL支援(構造・肯定的・共感・低刺激な環境・一貫性のあるサポート)を意識してます。
長男には成長の凸凹があることや、想像することが苦手で抽象的は話をされても、理解できていない。また、表現力もあまりないので自分の思いを表現出来ない。大人や友達に自分の気持ちをわかってもらえないと感じることで自己肯定感をさげているという特性があることがわかっているので、学童の先生に教えて頂いた、SPELLという関わり方を意識しています。これによって、私自身の長男に対するイライラも減ったし、長男も家庭でのイライラが減っているように思います。SPELLについては、また次にお話しようと思います。